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» 2022年04月11日 07時05分 公開

脱炭素に貢献するスマートモビリティ領域分析および同領域の日本企業分析 第1回(2/2 ページ)

[ローランド・ベルガー,ITmedia]
Roland Berger
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 なお、4つの価値領域分類ごとに、イノベーティブな取り組みを行っていると評価された上位企業ランキングは以下の通り。サービス化を中心にソフト的な価値を具現化しているプレイヤーは、必ずしも自動車領域に限定されておらず、モビリティ領域のイノベーションが業界横断的に行われていることがうかがえる。

4つの価値領域分類ごとに、イノベーティブな取り組みを行っていると評価された企業ランキング

 次回レポートにて、本ランキングの背景に存在するトレンド分析結果等を公開予定だが、特徴的な傾向について、概略を紹介する。

ますます重要性高まるソフトウェア領域 

 まず、脱炭素に資するスマートモビリティ技術は、再生可能エネルギー由来の電気・水素を主としたグリーンエネルギーをいかに活用していくかが主たるチャレンジテーマとなる。しかし、近年は、ハード的な価値以上に、ソフト的な価値実現、具体的にはデジタル化(コネクテッド・自動化)やサービス化(シェアリング・「働く」機能高度化)の価値貢献領域でのイノベーションが活発化してきている。モノだけではなく、コトも含めた脱炭素に資するイノベーションの重要性が増してきている証左と言えよう。

出願年別対象プレイヤーの関連特許件数(2005-09年平均=100)

個別技術の成長性が高いシェアリング・コネクテッド 

 個別の価値軸では、電動化(バッテリー等)と自動化(自動運転等)が、脱炭素に資するスマートモビリティの2大技術領域となっている。

 現状、成長性の観点では、シェアリング領域とコネクテッド領域が注目領域になっている。前述の通り、ソフトウェア領域の重要性が増す中、これら2つの価値軸は特に産業界からの需要が旺盛であり、さらなる技術革新余地があるとも読み取れる。

価値軸毎の特許インパクト成長性分析

自動運転技術をてこに拡がる異業種連携の可能性 

 脱炭素に貢献するスマートモビリティ技術は自動車セクターを中心に進んでいることは本ランキングデータからも自明だが、建機・農機などの働くクルマ領域では自動車とは異なる進化を遂げつつある。自動車はEVやFCVなどの動力・燃料活用技術と自動運転技術を両にらみでイノベーションを企図している一方、建機・農機では作業の省人化・無人化に資する自動化技術が活発になってきている。モビリティ関連プレイヤーが、おのおのの得意とする領域でイノベーションを具現化していくことで、業界の垣根を超えた効果的なアプローチにつながる可能性を秘めているといえよう。

関連特許件数の推移(※縦軸は業種ごとにスケールが異なる)

(※1)2000-2019年の20年間に国内で出願された特許のうち、9の価値にひもづく特許が母集団。約14万件の特許が分析対象

(※2)アスタミューゼが独自に開発した特許競争力評価手法。対象母集団(各技術分類定義、市場/事業分類定義)毎に、他社への技術的脅威、権利の地理的範囲、権利の時間的範囲の観点から、対象となる企業の特許1件1件の特許競争力をスコア化・偏差値化した「パテントインパクトスコア」を算出。さらに、「パテントインパクトスコア」毎に特許の余命を乗じた「パテントアセット」を企業単位で集計することで、「トータルパテントアセット」を算出

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