「BABOK(ビジネスアナリシスの知識体系)」は初見の人には難しそうに見えるかもしれませんが、要はだれが・いつ・何を・どの基準で・どう測るかを決め、実行→測定→是正を途切れさせないための実務の型です。
ここでは専門用語に偏らず、前章までの流れ(目標設計/接続点の整備)をそのまま現場運用へ落とす要点として整理します。
まず、目標を「測れる条件」に分解します。
次に、回し方の型を先に決めます。
こうして経営統合で決めた方針が日々の運用に自然に流れ込み、部門ごとの独自解釈を抑えます。
関係者から要点を確実に引き出し、合意を形成します。
これにより関係者が前提をそろえた形での会話ができます。
戦略で決めたことを日々の意思決定に直結させます。
目標を“掲げただけ”にせず整合させることで、前編で課題だった部門間の摩擦も、同一ルールで運用することで減少します。
成果を単なる開示ではなく意思決定に使える形に整備します。
これにより、報告は次の改善の入力となり、毎年の比較可能性を保ったまま強化できます。
目標・KPI・業務・データ・ITに関する要件は、一度決めたら終わりではありません。策定→合意→実装→評価の各段で整合・追跡・更新を管理します。
BAの知識・スキル・マインドは、SDGs達成に向けた多様な関係者を結びつけ、合意形成から実装、評価までを一貫させます。前編で提示した外部要請と内在課題は、開示対応の強化だけでは解決しません。
BACCMで「なぜ・何を・どうやって」を一貫化し、SDG Compassの壁をBABOKの知識エリアで越え、デュアル・ノーススターと拡張版BSCで財務と社会の目標を同じ設計図に載せることで、組織の目標・KPI・稟議・評価・予算・調達・販売等がひとつの循環に結びつきます。
ビジネスアナリストは、戦略―実装―評価を1つの言語で結び、財務と社会の2重目標を同一設計図で運用に落とす現場の設計者です。
前編の外部要請と内在課題は、開示対応の強化だけでは解けません。本稿の枠組みをKPI定義と運用接続まで徹底し、報告=意思決定の入力へ変換することが肝要です。
組織を良い方向に変革させる実務の中心として、企業が取り残されることを防ぎ、持続可能な未来への価値提供を現実の成果へと結びつける扇の要となることが今後ビジネスアナリストに期待されます。
■主な肩書
■プロフィール
大手上場Sier、大手グローバルコンサルティング会社勤務、ベンチャーコンサルティング会社の共同設立等を経て現職。
専門は人的資本経営、人事業務、人事システム、プロジェクトマネジメント、アジャイル、SDGs、ESG等。
非財務の価値を企業価値向上に繋げる活動を行う。
またキャリアコンサルタント、SDG普及ワークショップ、SDGsイベント運営、各種社会課題解決プロボノの主催やPM等のパラレルキャリアを実践。
■主な資格
PMP(R)、CBAP、DASSM(R)、ITコーディネータ、スクラムマスタ/プロダクトオーナ、脱炭素アドバイザー、キャリアコンサルタント、プロティアン認定ファシリテータ、産業カウンセラー等
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【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授