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» 2008年01月04日 08時00分 UPDATE

【年末年始特別企画】コミュニティーリーダーが占う、2008年大予測:ミドルエイジのスキル不足がもたらす暗い将来、2008年ITベンダー業界予測

慢性的な人材不足が長期化しているIT業界――「大手ベンダーのスキル不足」「若手社員の育成機会の損失」「人材流失の加速」は暗い将来を予感させる。2008年は「教育する側こそがリーダー」との覚悟を持つべきだ。

[北添裕己,ITmedia]

 多くの大規模IT投資が進行しており、IT業界は慢性的な人材不足が長期化している。ベンダーに明るい未来は待っているのだろうか? 業界の方々には大変申し訳ないが、残念なことに「このままでは」悲観的な方向にベクトルが向いていると考えている。

 個人的には「大手ベンダーのスキル不足」「若手社員の育成機会の損失」「人材流失の加速」という点に非常な問題を感じているからだ。

 私の知り得る情報収集範囲での分析と言われればそれまでだが、大手ベンダーの多数が以前ほどのオーラを感じさせなくなった。大切な何かが欠け始めている気がしてならないのだ。多分にそれは「インテグレーションスキル」ではないかと思っている。それはなぜだろうか。

 ミドルエイジのスキル不足である。

 もっと言えば、スキルだけでなく、量不足もある。これが悩ましい。量が不足しているとスキル向上の施策が有効にならないからである。年齢層で社員数をグラフ化すると、多数の企業は実は「ひょうたん型」になっていると感じる。

 これは、5年〜10年前のスパンで、下流工程を中心としたオフショア活用の悪影響ではないかと思う。新入・若手社員がプログラムソースコードを書いたり、その他末端作業に従事する機会を大量に奪われているのだ。そういう仕事に就かせてもらえないどころか、採用数まで減っていたりする。

 これは非常に悲しいことだ。1行のコードの重みを実体験できないのだ。

 間違ったことを書くと、アプリケーションがちゃんと動かない。きちんと書くと、自分の作った画面が「ホンモノの」ユーザーに使ってもらえる感動的場面に遭遇できる。いいかげんにつくるとパフォーマンスが遅かったりする。ちゃんとつくれば「凄い速くなりました!」と感謝されることがある。このような身になる体験が得られないのだ。

 そんな機会を得ないまま、当時の若手は5年、10年を過ごし、今、ミドルエイジになってしまった。末端の苦労が分からない。だから鼻が利かない。リスクが予見できない。

 実は仕様が間違っていても、それを真と信じてそのままつくっている。テスト結果をよく見ると、きちんと出来ているようで実は勘定科目が反対だったり金額が1桁違っていたりする。それに気付かず、見逃してしまう可能性が高くなっている。「現場感」が備わってないのだ。

ミドルエイジがシニアへの恐怖

 恐ろしいことに、このミドルエイジはまた5年、10年で「シニア」となり「現場感」のないマネジメントが出来上がる。

 大手ベンダーには、当然「ツワモノ」もいる。だから、しっかりとやれてる人もいて、その人達に守られて、今まではなんとかなっている部分もあるだろう。

 だが、これから現場感がなく、数も少ないミドルエイジがシニア層に移行してしまったら、多少の「ツワモノ」だけではもはや太刀打ちできない時が来る。どうしようもないトラブル案件を多発させ、崩壊する企業が現れてしまうだろう。

 今は襟を正すべき時期、最後のチャンスじゃないか、と私は考えている。

 今のままでは若手の機会損失も続く。オフショアでなくとも、ベンダーの力量を測らずにニアショアへ出すと、地方ベンダーが請けるには受けたが力及ばず大失敗、なんてことも起きてしまいかねない。都会に比べて、技を磨けるような「正念場」案件に乏しいだけに問題だ。

 実際、最近は努めて地方巡業をしているが、地方においても案件過剰で人材不足に陥っている地域は結構ある。とすれば、地方の若手も本来経験させたい実務経験機会がオフショアに持ち去られる図式は都会と変わらない。

教育する側こそがリーダー

 このような課題に対して、どのように対応していくのが良いだろうか。

 まずユーザー企業は、肥大するIT投資を見直しROIの成立しない案件の凍結や先送りもしくは投資規模の縮小を行い、ベンダーの供給能力に見合った案件に投資をスリム化すべきだ。

 そしてベンダーサイドでは、オフショアやニアショアも含め、人材の教育・育成にもっと力を入れるべきだ。現在は以前に比べて「育てよう」という意識が希薄になってきたようだ。元請から見て下請けの「協力会社まで教育するなんて、塩を送るようなもの。損でしかない」という声を今年何回か聞いた。

 確かにそうかもしれないが、IT業界の灯は、そんなことを言っていたら近いうちに消えてしまい、本格的にオフショアベンダーにイニシアティブをとられかねない。

 2008年は「教育する側こそがリーダー」との覚悟を持ち、教育やブランド向上などの戦略案件以外の不採算案件からはできるだけ早期に手を引き、国内有力ベンダーの底力を目覚めさせてほしい。だからこそ、ユーザー企業にもそのような気にさせる魅力的な投資案件の立案に、今こそ全力で取り組んでほしい。

北添裕己氏が主催するエグゼクティブ・コミュニティー

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Tリスク軽減させるベンダーマネジメント術

特にSI会社やソフトウェア企業、サービスプロバイダ、ソリューションベンダーと呼ばれる会社群をベンダーと定義し、ユーザー企業はいかにベンダー活用リスクを軽減し、彼らをマネジメントしていくべきなのか。できる限り実体験(もちろんデフォルメはさせていただきます)に基づき、正しい関係構築、間違った認識の改め、等々につながるテクニックを、解説・協議していきたいと思います。


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