ビジネスアナリシスへの取り組み方:海外と日本との比較ビジネスとITを繋ぐビジネスアナリシスを知ろう!(2/2 ページ)

» 2026年01月29日 07時01分 公開
[庄司敏浩ITmedia]
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 ここでいくつか現在の日本社会に壁があるのではないかと思われる点をあげてみる。

1、チェンジマネジメントチームは日本の組織にあるのか?

 DXが目指す、組織やビジネスの大きな変革は、容易ではない。経営トップが全面的に支援する、強い権限をもつチームが変革活動全体を主導する必要があるが、そのようなチームが存在するのか?(そもそも、日本の会社の経営トップは、それほど強い権限を有していないこともある。もちろん、トップの暴走を止めるためのガバナンス態勢の仕組み構築とセットで考えなければならない。)

2、日本の組織で試行錯誤が許されるのか?

 新しく考えた取り組みがいきなり成功することは滅多にない(よほど運がよくない限り)。試行錯誤は失敗の繰り返しである。つまり、失敗を許容しなければ試行錯誤はできない。しかし、日本の組織では1回失敗したらアウトになるところも多い。すると失敗することもできないのでは?(失敗から上手に学ぶように行動変容することが重要である。ただし、組織の屋台骨を揺るがす大きな事故につながらないように、小さな失敗にとどめる工夫が必要)

3、新しいことを行う人材がいるのか?

 新しいことを行うスキルを初めから有している人材は通常はいない。常に新しいことを学ぶ文化を組織内に築いていないと、新しいことにチャレンジはできない。

 これまで述べたことはビジネスアナリシスだけの問題ではない。しかし、ビジネスアナリシス活動単独で組織に価値をもたらすわけではないので、今後のビジネスに不安のある組織は、上記のような態勢を組織的に構築できているかを見直す必要があるのではないだろうか。自社が携わるビジネスの全体像を捉えて、組織的にビジネスの進め方を決めていかないと、ビジネスの継続は困難だろう。

 ところで、米国では最近、アジャイルからの揺り戻しも起こっていると聞く。アジャイルはそもそも、日本の良さを米国が取り入れたものだ。しかし、日本人のように協調してチームワークを発揮するのは苦手な面もある。和を重視する日本の良さを生かし、責任やリスクを必要以上に回避しようとする姿勢を改めれば、日本の強みを利用したビジネスの進め方ができるのではないだろうか。

著者プロフィール:庄司敏浩(しょうじ・としひろ)

約14年間日本アイ・ビー・エム(株)にてSE,PMとして数々のシステム開発プロジェクトに従事後、2001年にITコーディネータとして独立し、フリーランスとして活動している。2008年にIIBA日本支部を立ち上げ、2014年まで理事を務め、2021〜2022年には幹事を務める。IIBAがアメリカで開催するBBCカンファレンスに毎年参加し、海外のビジネスアナリストと交流すると共に、日本に最新のビジネスアナリシス情報を紹介している。

BABOKRガイドV2,V3(日本語版)翻訳メンバー、プロダクトオーナーシップ概論監訳者

<IIBA認定資格>

CBAP (Certified Business Analysis Professional)

IIBA-AAC (Agile Analysis Certification)

IIBA-CPOA (Product Ownership Certification)

IIBA-CCA (Cybersecurity Analysis Certification)


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