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» 2015年04月16日 08時00分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:最速で成果を出すために、「やることを絞る」人になる (2/2)

[伊庭正康,ITmedia]
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 では、KSFを特定するセオリーを紹介します。それは、いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのがセオリーだということ。例を紹介しましょう。ある会社の「新規開拓」の営業です。20件の商談から1件の契約が取れる、それがこの営業のパターンでした。でも、目標は3件。つまり、2件を増やす必要があったのです。

 さて、あなたならどうしますか。訪問量を増やす? 人を増やす? 違いますよね。いたずらに「量」を増やすのではなく、まずは「率」を高めるのが正解です。この場合、商談からの契約率を今の5%から15%に引きあげる鍵を探します。

 そこで、多くの人は悩むことになります。「何から考えればよいのか」と。コツを紹介しましょう。プロセスを分解してみてください。例えば、この営業の場合は「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」という商談のプロセスに分解できます。そうなるとヒアリング力を高めるのか、プレゼン力を高めるのか、それともクロージング力を高めるのか、事実を把握した上で、いずれかに鍵(課題)を特定します。

 その鍵がプレゼン力を高めることだとすれば、そのプレゼン力を高めるべく、企画書の改善、トークの改善などの具体的な打ち手を講じていきます。

 さて、この話の重要なポイントは何でしょうか。くどいようですが、いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのが王道のセオリーということ。「率」を高めてから、一気に「量」を増やす流れで展開を考えてみてください。無駄のない効率的な展開が可能になります。ぜひ、最速で成果を出すためには、「率」を高めることにこだわってみてください。

まとめ:あなたの仕事を加速させる3つの質問

 では、最後は、あなたの仕事を加速させる3つの質問で締めくくりましょう。

  • 質問1:あなたは「いつ」までに「何を成し遂げたい」ですか?
  • 質問2:そのために必要な鍵を1つに絞るとしたら何ですか? (量ではなく率で)
  • 質問3:それは、なぜですか? (事実を把握しているか)

 いかがでしょう。答えられましたか? 数字で表せない業務の場合、難しいように思うかもしれません。でも、あえてトライしてみてください。間接業務も数字でとらえ直すことが重要です(業務のムダ、平準化などが見えます)。今は答えられなくても大丈夫。そのかわり、ぜひとも今から考えてみてください。

 くどいようですが、この言葉で締めます。いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのがセオリー。「やらない」と決めることで成果を出すことは可能です。この記事が、もっとラクに、そして速く成果を出すヒントになれば幸いです。

著者プロフィール:伊庭正康

セールストレーナー(株)らしさラボ 代表取締役

1969年京都生まれ。1991年リクルートグループ入社。営業時代に4万件を超える訪問活動を実施。1分、1秒を争う求人メディアの営業を通じ、「時間あたり生産性」を高める技術を開発。残業をすることなく、リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40回以上。その後、管理職として「時間当たり生産性」を高めるマネジメント手法を開発。営業部長、関連企業(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

 2011年、(株)らしさラボを設立。個人、組織の「時間あたり生産性」を高める技術を広めるべく、営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させる手法がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。

 また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『絶対に残業しない人の時短(しごと)のワザ』『強いチームをつくる!リーダーの心得』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。


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