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» 2012年01月11日 08時00分 公開

マーティン・ルーサー・キングJr.のリーダーシップ海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)

[エグゼクティブブックサマリー]
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愛と非暴力と学習

 キング牧師がリーダーシップを発揮し始めた時期、自身を成功へと導いた誓いをいくつか立てています。その1つが「非暴力による直接活動」です。その中でキング牧師は、キリスト教の価値観とガンジーから学んだ思想を組み合わせました。そしてガンジーの「愛の力は、魂または真実の力と同じである」という教えに基づいたアプローチを取りました。また、キリスト教の「侮辱を甘んじて受ける」という哲学に従いました。キング牧師は、愛は「社会的および全体的変化」をもたらす強力な手段であると信じていたのです。

 しかし、キング牧師は非暴力的アプローチを取るよう命令することはしませんでした。なぜなら、自分の意志で付いて来るよう、人々を説得しなければならないと気が付いたからです。キング牧師は、彼らに理想を分かってもらえるよう努力し、その理想を叶えることのメリットを説明しました。その中で、優秀なリーダーになるためには、命令するのではなく説得しなければならないのだと気が付きました。また、敵対する人を負かしたり、あるいは侮辱したりするべきではないと示しています。「心の変革と変化」をもたらすためには、「友情と理解」が必要なのです。

 キング牧師は、州際通商委員会の定める規則に対抗し、旅客列車における人種差別を撤廃するための座り込みストライキの失敗などの過ちから学びました。ジョージア州アルバニーでの不買運動が石を投げる争いに発展したことを受け、キング牧師は暴力を使わないという決意を新たにしました。そして、これからはより平和的な形でデモを計画しようと決意しました。

 キング牧師はデモを行う度に、次はもっと平和的にできるよう、慎重に自己分析を行いました。そして、さらなる知識を身に付け経験を積むごとに、自信を付けて行きました。キング牧師は「学習とリーダーシップは切り離して考える事はできない」という格言を生かしました。そして、人は、状況が許す限り変化に備えなければならいこと、そして仲間から支持され続けるためには、気持ちを伝え続けなければならないことに気がつきました。また、過ちを恐れず、それから学ばなければならないと説いています。

 また、キング牧師は早い段階で、上手に演説ができるようになる必要があることにも気が付いていました。初め、キング牧師は教説や演説の構成と準備に長い時間をかけていました。しかし、経験を積んだことで、より大きな影響力を持って即興で演説ができるようになりました。この能力を身につけるカギは、共通の言葉を話すことです。そうすることで、簡単に優秀な演説家になれるのです。また時には、物語を話すことも、新鮮さと独創性を増すもう一つの手段です。

 多少難しい考えかもしれません。しかし確実にいえることですが、キング牧師は、数々の過去の経験から学習し研さんを積み上げた結果から常に最善の方法を見出していったことは間違いありません。それが結果的に、民衆を引き込み、かけがえのない指導者となっていったということが伺えます。

著者紹介

ドナルドT・フィリップスは、リーダーシップの分野で広く知られた著者であり演説家です。歴史の教訓を今日の戦略に生かす著書を発表しており、著書には「Lincoln on Leadership」や「The Founding Fathers on Leadership」があります。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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