「良いチーム」は機能しない海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(4/4 ページ)

» 2012年01月25日 08時05分 公開
[エグゼクティブブックサマリー]
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勇敢なチームはバランスを取り、効果的に能力を発揮する

 勇敢なチームは、良いチームとどう猛なチーム両方の最善の特性を兼ね備えたチームです。人間関係を重要視し、それと同時に仕事で良い成績を出します。自分のチームを勇敢なチームにするためには、次の戦術を使ってください。

勇敢なチーム構築の戦略とは?

 ・肯定的なフィードバックを提供し、それから学んだ結果としてチームメイトが成長し、変化し、仕事でより良い結果を出せるよう手助けをする

 ・チームの業務の完遂と、メンバーが周りと打ち解けているかに意識を向ける

 ・顧客の言うことを聞くことが、常に全員にとって一番の利益になるとは限らない。よって、プランを立て、リソースを公平に分配し、全体図を見てから、せめぎ合う優先順位や顧客の要求にどう対処するか決める

 ・チームメンバーの経験の差を尊重する。メンバーの誰からの意見も重要視する

 ・行動に移る前の論争や議論を歓迎する

 ・事前に計画を立てると同時に、出来事が起こったままに反応できるよう、柔軟性を持つ

 ・短期的にも長期的にも効率的でいる。常に結果を見据える

 正真正銘の大胆な議論を持つには、チームメンバーを名前で呼び、議論を個人的なものにすることが重要です。アイコンタクトを取りましょう。そうすることで注意が散漫にならずに済みますし、話し手の言葉に意識を集中させることができます。落ち着いた一定の口調で話してください。

 空気が緊迫しているからといって、受け身になってはいけません。しぐさや身ぶり手ぶりは正しく使ってください。そうすることで、メンバーを誤解させるようなことを 言ったりしたりしなくて済みます。意見は率直に述べ、心から感情移入してください。責任を他人に押し付けてはいけません。寛容になり、自分の意見に対し他のメンバーがどう思っているか決めつけるのではなく、相手の反応を待ちましょう。

 勇敢なチームのメンバーも、他のチームと同じ役割を持っています。しかし、チームの特性においては、勇敢なチームのメンバーは他のチームより効果的に役割を担うことができる傾向にあります。良いチームとどう猛なチームのメンバーがどのように役割を演じるかはもう分かっていると思います。ここでは、自分のチームメンバーが勇敢なチームメンバーのように振舞えるようにしましょう。そうすることで、メンバーは個人のアイデンティティに忠実でいながら、理想的な形で役割を演じ、責務を果たすことができるようになります。

理想的な役割と責務を知る!

 ・ピースメーカー:他のメンバーと打ち解けるということは、対立を乗り越えることだと理解する

 ・チャンピオン:業務を遂行するために他のメンバーと協力する

 ・完ぺき主義者:素晴らしい結果を出すための様々な方法を受け入れる

 ・エナジャイザー:集中し、業務を完遂することで仕事に楽しさを見出す

 ・保護者:心配するのを止め、リスクを冒しても大丈夫だと思う

 ・オブザーバー:立場を明らかにし、業務を完遂するための正しい方法に意識を集中させる

 ・個人主義者:意見を述べ、フィードバックを待つ

 ・アチーバー:自由に良い仕事をする

 ・ヘルパー:問題を解決するという自分の役割における責任を取ってもよいと思う

 理想的チームのあり方を、ここでは「勇敢なチーム」と定義しています。「良いチーム」、「どう猛なチーム」の良い点を併せ持つ特色がありますが、それに加えて、そうなるべき必要な要素が、ここに書かれている7つの戦術を持ってなし得ることになります。現状において、「良いチーム」、「どう猛なチーム」と分類されると感じていても、それを実践することによって「勇敢なチーム」となり得ることができると思います。

勇敢なチームの4つの管理原則

 チームを率いている時、人はメンバーが成長し、変化し、業務を遂行するのを助けたいと思います。勇敢なチームを作る際は、良いチームとどう猛なチームの優れた特性を混ぜ合わせることで、成功できるよう備えてください。勇敢なチームは、任務を完遂すること(どう猛なチーム)と全員がチームに打ち解けているか確認すること(良いチーム)との間の優先順位のバランスを取ります。

 チームメンバーの意見を尊重し、彼らの話をよく聞いてください。そして、短期的および長期的に両方の結果に注意を払ってください。勇敢なチームを作り上げるには、メンバーに「気を配り、信じ、信用すること」を教えてください。次に記す勇敢なチームの4つの原則を、様々な状況でチームを管理するためのガイドラインとして使用してください。

勇敢なチームの4つの原則――ガイドラインについて

 1、無実だと信じる:メンバーに先入観を持ったり、非難したりすることはしないようにする。純粋な意思を持つ

 2、橋をかける:共通点を探し、チームメンバーと分かり合う

 3、真実を話す:客観性を持ち、一般化しない。具体的な例を挙げる

 4、会話をする:質問を投げかけ、メンバーを会話に参加させる

 勇敢なチームとなる4つのガイドライン。これは必ず順守していくことが必要でしょう

著者紹介

ブライアン・コール・ミラーは、「Quick Team-Building Activities for Busy Managers」と「Keeping Employees Accountable for Results」の著者です。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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