ビジネスアナリシスを現場に根付かせる――IIBA日本支部「BABOK勉強会」8年の実像と変化ビジネスとITを繋ぐビジネスアナリシスを知ろう!(2/2 ページ)

» 2026年02月25日 07時06分 公開
[濱井和夫ITmedia]
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4、勉強会の設計思想――“読む→問いを立てる→議論→実装”の往復

 この勉強会はコーディネータの宮田氏(IIBA日本支部登録講師)が、日本郵政グループで実施し、非常に好評を得た内容をベースにしています。宮田氏の厚意によりIIBA日本支部会員に、無償で提供していますが、講義形式の一方向のものではありません。

 参加者は事前にスタディメモ(学んだこと、使えそうなこと、疑問、感想)を作成し、コーディネータが回答案を用意し事前共有、当日は議論中心で進めるという形態になっています。章立て(1〜9章)を5回に分け、月1回×5か月を1シーズンとするため、職務と両立しやすく、学び→実装のサイクルを作りやすくなっています。

勉強会の設計
スタディメモ例、回答例

 参加者のアンケート自由記述からは、以下のようなコメントがありました。

  • 一人では読み進められないBABOKを、仲間と議論しながら学べた
  • 異業種交流で視野が広がり、すぐ現場で試せるヒントを得た
  • 講師の丁寧な伴走で、学びが継続できた など。

5.参加者の「使えそうと思ったこと」の紹介

 参加者の皆さんがスタディメモに記載していた「使えそうと思ったこと」は、BABOKガイドの記載をじっくり読んで、各自の業務に照らしてみて「使えそう」と感じたことです。難しい表現でボリュームが多いBABOKガイドではありますが、「使えそう」なところに興味を感じてもらえると嬉しいです。

6、最後に

 この勉強会は、前述のように講師からの一方的な知識付与ではなく、参加者個々がBABOKガイド、勉強会資料を読み込んで、「学んだこと」「使えそうと思ったこと」「疑問」「感想・その他」という軸で、気づきをドキュメントに記載し、それに対するコーディネータからの回答例も含めて、参加者で議論するという形になっています。

 参加者の経歴は多様であり、得られる気づきにも共通するものと個別性の高いものがあります。予期せぬ発見が新たな視点として認識されることもあり、これらは参加者全員の知見の拡充に貢献しています。

 2項で記載したように、近年のDXに対する正しい理解と、必要性の高まりから、参加者からの気づきも、事業の前線での深いものが多くなっているような気がすることや、日常業務の中でビジネスアナリシス活動を継続している人からの経験談は、事務局として毎回参加している私も、大変勉強になっています。

 IT企業で要件定義など上流工程を実践している人や、コンサル系の企業の人から、改めてBABOKガイドを読んでみると、自分たちがやっていることの位置づけが理解でき、不足している観点に気づくことができたという声や、ユーザ企業の企画系の人から、実施することの価値の評価、優先順位付けのための制度設計に活用したいという声を聞くこともあり、運営側としてもとても勇気づけられています。

 BABOK勉強会は、今後も年1〜2回で継続していく予定です。この記事を読んで少しでも興味を持ちましたら、応募してもらえると嬉しいです。

 最後に、この勉強会の実施を提案し、毎回のスタディメモへの回答案作成と勉強会のファシリテーションを献身的に実施しているIIBA日本支部登録講師のミヤタ・システム・アドバイス社の宮田 敏光 氏に感謝の意を伝えて、本稿を終わります。宮田さんありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

著者プロフィール:濱井 和夫(はまい かずお)

  • NTTドコモソリューションズ(旧NTTコムウェア)(株)コーポレート革新本部 技術革新統括部 プロジェクトマネジメント部門、 ビジネストランスフォーメーション事業本部 事業企画部 QM部門、エンタープライズソリューション事業本部 事業企画部 PJ支援部門 兼務 統括課長,アセッサーPMOとしてプロジェクトの適正運営支援、及びPM育成、及び上流工程品質向上活動に従事。
  • IIBA日本支部 理事。2017年からIIBA日本支部理事(教育担当、総務担当)。BABOKの日本での普及活動に従事。Kindle版「よくわかるビジネスアナリシス」(共著)、BABOKガイド アジャイル拡張版v2(翻訳)、ビジネスデータアナリティクス・ガイド(翻訳)、ビジネスアナリシス標準(翻訳)、プロダクトオーナーシップ概論(翻訳)
  • その他
  • Kindle版「アジャイル品質パターン「QA to AQ」 伝統的な品質保証からアジャイル品質への変革(CodeZine Digital First)」(翻訳)
  • SE4BS推進メンバー
  • 匠Method User Group幹事グループメンバー

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