必ず部下を“ワクワク”させる、究極のリーダーシップセオリービジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2014年06月05日 08時00分 公開
[伊庭正康,ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 「私は、悔しい。この地域で何十年と頑張ってきた経営者が、後継者不足のために廃業せざるを得ない状態にある。絶対に安心してもらえる状態にしなければならないと考えています。だからお願いです。力を貸してください。1件でも多く、訪問活動をしてください。よろしくお願いします」

 すると、営業所は、一瞬の静寂の後、次第に大きな拍手で包まれ、部下からも「やりましょう!」という声が上がったのです。

 いかがでしょう。なぜ、大きな拍手がおこったのでしょうか。これは決して藤田さんだけではなく、私の研修やコーチングを受けたリーダーのほぼ全員に起こる出来事です。困っている誰かを救うために、本気になって頭を下げているのかが重要な点です。つまり、「どこを見て仕事をしている」リーダーなのか、そこに答えがあります。拙著では、50個のセオリーを紹介していますが、その中で最も重要なセオリーが、このLevel4の視点で「リーダーとしての使命」を語るということなのです。

あなただけの「使命」の見つけ方

 さて、使命を見つけるには、公の憤り(公憤と言います)を見つける必要があります。関心を「3つの不」にシフトしてみて下さい。3つの不とは、「不満」「不便」「不安」のことを指し、特にお客さま、もしくはお客さまになっていない人々の不に関心を持った上で、不を解消するための代弁者とならねばなりません。

 お客さまに近い営業や接客のリーダーなら、スグにできるかもしれません。しかし内勤の場合は少し、大胆な行動が必要です。おすすめは、営業に同行させてもらう、もしくは実際に店頭に立ってみる、などの方法です。

 実際に私のコーチングを受けたリーダーの中には、お客さまのもとに取材に行ったり、中にはお客さまの会社に出向き1日体験をした強者もいました。そこまでやると、部下はリーダーに本気の覚悟を感じることとなります。  

 まとめます。部下をワクワクさせるためには、Level4で使命を仕立てておくことです。そして使命を見つけるためには、お客さまやお客さまになっていない人の「不」を知ること。ここを意識しておくだけでも、覚悟が言動にあらわれてくることでしょう。

著者プロフィール:伊庭正康

らしさラボ 代表取締役(セールスリーダー育成・トレーナー)。

1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40 回以上。その後、営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

2011年らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。

また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『苦手な人がいなくなる(中経出版)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆