僕はどんなに小さな買い物をしても、必ずレシートを受け取ります。
夜、寝る前にその日のお金を片づけるとき、レシートを1枚1枚チェックしながら、いいお金の使い方をしたのかどうか考えてみることにしています。レシートをただ集計し、収支を合わせるだけが「お金のお片づけ」ではないんです。真の目的は「使ったお金を評価すること」と言っても過言ではありません。
それが本当に意味のある出費だったのか。それとも無駄遣いだったのか。ひとつひとつの出費を吟味する時間を1日の終わりに設けましょう。はじめは、毎晩レシートを整理するなんて面倒な作業だと思っていたのですが、考え方を変えたら楽しくなりました。
レシートは“ハッピーの足跡”だと。
「このお店での会話は本当に弾んだ!」
「この松坂牛は美味しかったなあ」
「このタクシーから見えた夜景はキラキラしていた」
「この移動中の地下鉄の駅で芸能人にあったな」
「そういえばこの移動は大慌てだったなあ」
などと思い出すことができます。だから、僕は領収書やレシートの整理は大好きです。
僕には日記をつける習慣がないのですが、日記の代わりに領収書が思い出を語ってくれます。
振り返れば、
「仕事で失敗して悔し涙した領収書」
「謝罪のために買ったとらやのようかんの領収書」
「東日本大震災の直後に水を買ったコンビニのレシート」
「希望に夢をふくらませて買った航空券の領収書」
もあります。好きな人に買ったプレゼントの領収書もあるかもしれません。僕のお腹の周りの贅肉の原因となった食事の領収書も山のようにあります。そのひとつひとつが“ハッピーの足跡”です。買い物をするたびに、店員さんが“ハッピーな足跡”をくれます。ぜひともそれを振り返ってみましょう。たくさんのハッピーが思い出されます。
もちろん、なかには失敗した買い物もあるでしょう。
5百円のランチを安いからという理由で食べたとします。でも、素材にも味にも満足できなかったとしたら、5百円の価値さえなかったと悔しい気分になりますよね。逆に、3千円のランチを食べて、3千5百円の価値を感じるほど美味しかったなら、それは納得のいくお金の使い方です。
レシートで一日を振り返りながら、そのお金で買った品物なり、経験なりが自分にとってどの程度の意味があったのか、考えてみましょう。そして、その出費に価値があり、お金を払ったおかげでハッピーになれたと思えばレシートに「○」をつけましょう。また、自分にとってメリットのない、良くない出費だったと思えば、レシートに「×」をつけましょう。
レシートを評価して、あなたの一日の通信簿にするのです。○のついたレシートが多ければその日はきっといい日でしょう。×印のレシートが多いと、気分の良くない一日です。×印がつくと、思いのほかショックです。だから、その反省が心に残り、自然と×印の出費が減っていきます。
また、レシートを整理するときには、食費や交通費、雑費など分野別に分けるのもポイントです。分野別にまとめて計算しておくと「今日は昨日よりも交通費を余分に使っちゃったな」とか「ランチを贅沢したせいで、食費がかさんでいるな」など、その日の出費の傾向を冷静に判断することができます。
レシートで一日を振り返り、お金の使い方を評価する習慣を続けていれば、「なんとなく買ってしまった」という出費がすぐに減っていきます。また、納得のできないお金の使い方をすることもなくなっていきます。お金を使うたびにハッピーの足跡が増えていきます。
今日は幾つのハッピーをもらいましたか?
1967年愛知県生まれ。学生起業家・出版社を経て放送作家に。「天才!たけしの元気が出るテレビ」でデビュー。以降「鉄腕! DASH!!」「特命リサーチ200X」「奇跡体験!アンビリバボー」などの構成に携わる。30歳の時から戦略的PRコンサルタントとしても活躍。これまでにGROUPON、エクスペディア、ギルト・グループ、huluをはじめ、国内外80社以上に携わる。飲食店からIT企業まで幅広い分野で活躍中。著書に「テレビで売上を100倍にする私の方法」(講談社)、「終わらす技術」(フォレス出版)がある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授