幸せでいるための12の行動習慣海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)

» 2012年04月11日 08時00分 公開
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幸せになるための12個の行動習慣

 幸せを手にすることは、神秘的なことではありません。手にするには、シンプルで新しいことを日常的に行い、それを習慣にする必要があります。このような取り組みを行えば、人は幸せになれます。とてもシンプルです。

 もちろん、新しい取り組みを毎日の生活の中に取り入れることは簡単ではありません。ですが、もし努力する意思があるのなら、次に記す幸せになるための12個の取り組みを実践してください。中にはくだらないと思えるものもあるかもしれません。ですが、だからといって投げ出さないでください。

 すべてを取り入れる必要はありません。いくつか選んでください。もし効果がないと思ったら、他のものを試してください。自分と自分のライフスタイルに合った取り組みを選びましょう。日常的に取り組めば、必ず幸せを感じることができるようになります。

必ず幸せを実感するために日常的に取り組むこととは?

1、感謝の気持ちを持つ

 人生における嫌な経験に対する負の感情によく効く薬は、良い経験に対する「感謝の気持ち」を持つことです。研究によると、物事に感謝する人は、強い満足感を抱き、より前向きな気持ちを持っていることが分かりました。そのため、彼らはより幸せを感じます。彼らのように感謝の気持ちを強く持てるようにするには、「感謝日記」を毎週書くようにしましょう。感謝したいと思える物事について書いてください。

2、楽観的になる

 もし悲観主義であれば、幸せを感じることはほぼ不可能です。あらゆるものが暗くネガティブな感情に染められてしまいます。そうではなく、人生について楽観的になってください。対処能力を高める努力をしてください。そうすることで、元気が出てきて、目標に向かって進むことができるようになります。楽観的になるには、物事がうまくいくと、自分の人生はどうなると思うか紙に書き出してください。このような想像する訓練をすることで、「楽観的に考える筋肉」が鍛えられます。

3、考えすぎない

 いつも骨をかじる犬のように常に問題に思い悩んでいると(このような状態を自己反すうと言います)、人は自然と嫌な悲しい気持ちになり、落ち込んでしまいます。このパターンは極めて自己破滅的です。このパターンに陥ると、人は常に自分と他人を悲観的に比べてしまいます。このような悪影響のあるパターンから抜け出すには、そのような考えにはまらないことです。運動したり映画を見たりするなど、他の楽しいことに意識を切り替えてください。

4、人に親切にする

 幸せになるための究極の秘訣は、人に親切にすることです。無理をしてでも人に親切にすると、いい気分になり、罪悪感や精神的苦痛などネガティブな感情を打ち消すことができます。親切にすると、すぐに前向きな気持ちが沸き上がって来ます。親切心を育てるための1つの訓練は、ボランティア活動に参加することです。これ以上有意義な時間の使い方はないでしょう。

5、人付き合いを持つ

 バーブラ・ストライザントの名曲「ピープル」が一番伝えたいメッセージは「人を求める人は、世界で一番幸運な人だ」というものです。心理学者も、社会に参加したいという欲求は、あらゆる人にとって最も強い原動力の1つであるという考えに同意しています。幸せになるには人と付き合う必要があるのです。人と関わりを持つ時間を作りましょう。

6、ストレス対処法を学ぶ

 ストレスはどこにでも存在し、その原因はさまざまです。ストレスの対処法を知らなければ、幸せにはなれません。解決策を探すことに力を注ぎ、問題に対処してください。その際、一歩一歩進むことが大切です。戦略と行動計画を立ててください。助言を求めることも重要です。もしストレスが状況的なものではなく精神的なものであれば、気分の良くなることをしてください。例えば、ハイキングに出かけたり、ゆったりとした音楽を聞いたり、友人を訪ねたりしましょう。また、ストレスについて紙に書き出すことも、緩和する手助けになります。

7、人を許す

 昔からある言葉が、最も的を射ているということがよくあります。そして、そのため、そういった言葉はいつまでたっても色褪せません。「水に流せ」というのが、そういった言葉の1つです。怒りや恨み、敵意などをずっと内にこもらせている人は、精神的にも肉体的にも自分自身を傷つけてしまうと、心理学者は認めています。

 もちろん、自分を不当に扱った人を許すことは、容易ではありません。1つの方法は、相手に向けた「許しの手紙」を書くことです。手紙に、相手があなたにどんなことをしたのか、細かく記してください。そして、手紙の中で相手を許してください。その手紙を実際に送る必要はありません。大切な事は、傷ついた気持ちを表に出すことです。手紙を書くことで、傷ついた気持ちを捨てることができます。

8、今を生きる

 未来のことばかり考えていませんか? お金持ちになったり、ダイエットに成功したり、大好きな人と結婚したり、今より良い仕事に就いたりした時に、どんな素晴らしいことが起きるだろうと考えていませんか? それとも、過去に捕らわれていませんか? したことやしなかったことについて後悔していませんか?なぜ最も重要である「今」を生きないのですか?

 考えてみてください。「現在」こそが、わたしたちが本当に持っている全てです。今を生きる最善の方法は、現在の行動に意識を集中させることです。心理学者のウィリアム・ジェームズは「わたし自信が注意を払うことに同意したものが、わたしの経験になる」と書いています。自分の人生に注意を払ってください。人生の一瞬、一瞬を意味のあるものにしてください。1分でも無駄にしてはいけません。

9、人生を楽しむ

 自分の人生を満喫し、一瞬一瞬を楽しんでいますか? もし楽しんでいないのなら、なぜでしょう? 正しい姿勢でいれば、平凡なことすら素晴らしいものになり得ます。例えば、その気になれば、朝ごはんを食べることすら、この上ない幸せなことだと思えるようになります。ベッドに入って眠ることもそうです。想像力を働かせて、人生を豊かなものにしてください。素晴らしい体験を思い出してください。そして、頭の中でもう一度同じ体験をしてください。研究によると、このような「ポジティブな回想」を行うと、3人に1人が抱えている問題に対して有効な考え方ができるようになることが分かっています。

10、目標を持つ

 目標に向かって一生懸命努力する人は、自分の人生にも全力を注ぎます。もちろん、目標は合理的で、達成可能で、本当に満足感を与えてくれるものでなければなりません。あなたの目標はどうですか? 多くの人が、お金持ちになりたい、外見を良くしたいといった目標を設定します。しかし、研究によると、お金持ちになったり、美人になったりしても、幸せが保証されるわけではないことが分かりました。

 実際、このような「非本質的な目標」は、本当に幸せをもたらしてくれる、より重要な「本質的な目標」の妨げになることがあります。本質的な目標は、人によって異なります。ある人にとっては、料理を学ぶことかもしれません。またある人にとっては、毎朝、朝食の前にプールで泳ぐことかもしれません。目標の無い人生は、むなしいものです。自分の目標に向かって全力を尽くしてください。

11、精神性を高く持つ

 研究によると、宗教の信者は無宗教の人より幸せを感じやすいことが分かりました。また、無宗教の人より健康で、病気により効果的に対処し、トラウマに上手に対応することができます。精神性を高めることで――つまり、「崇拝する対象を求める」ことで――内なる平穏と安らぎを得ることができます。宗教と高い精神性は、人生に意味を与えてくれます。

12、身体的、精神的に健康でいる

 もし瞑想をしたことがないのなら、試してください。瞑想とは「集中力を高める」という意味です。瞑想している時間は、じっと我慢し、心を落ち着かせる時間です。

 自分を解き放ち、いつもの考え方から離れ、物事をいつもとは違う角度から見てください。また、運動をしていますか? 運動は、すぐにいい気分になれる最善の手段の1つです。幸せな人のように振舞っていますか? 信じられないかもしれませんが、笑顔を作り笑うことで、人は幸せを感じていると自分自身に思いこませることができます。笑顔でいる時、人はなかなか不幸な気持ちにはならないものです。

 高度経済成長を経て物質的に満たされている状態が幸せであると感じている日本人にとってはかなり難しい生活習慣かもしれません。

 生活レベルの差は別としてもこうした習慣をラテンの人たちは自然と身に付けているのかもしれません。もちろん個人差はありますが、常に明るく人を大切にすることを心掛けているのではないでしょうか? 経済も停滞し先行きの見えない状況にある日本の人たちもこうした概念を今からでも遅くはないので身に付けていく必要があるのではと思います。

著者紹介

ソニア・リュボミラスキーは、カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授です。テンプルトン・ポジティブ心理学賞を受賞しました。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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