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» 2014年02月13日 08時00分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:グローバルで活躍するための「考え抜く力」 (2/2)

[狩野みき,ITmedia]
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「根拠」をもって考えると、自信が持てる

 さて、理解を深めた後、意見を持つために最も大切なこと。それは「根拠」です。「なぜ、自分がそう思ったのか」「この人が、これを推す根拠は何か」考えたことはありますか?

 例えば、あなたが留学してMBAをとろうとしていたとします。そのとき、すでにMBAをとり社内で出世しているAさんから、「B大学はすごくいいよ。コースも充実しているし、先生も親切だよ」と言われたとします。そのとき、「出世したAさんが言っているのだから、そうに違いない」と単純に思っていいのでしょうか?

 ここで考えなければいけないのは、

(1)根拠として述べられている内容は正しいのか

(2)根拠が根拠になっているのか

です。「コースも充実している」については、事実ですから、(1)は大丈夫そうです。しかし(2)はどうでしょうか? Aさんが「すごくいい」「親切」といっても、Aさんとあなたは性格も能力も境遇も違います。これは、あなたが留学するための「根拠」に本当になるのでしょうか?

 「誰かが言ったから、こう思った」「なんとなく、こう思った」ということで意見を言う人もいますが、根拠が曖昧なままでは説得力はありませんし、曖昧な根拠で何かを決めても自分の中でどこか不安は残るものと思います。このように、根拠について考え、「自分はこういう根拠を持っているからこそ、こう考えるのだ」と意識すれば、自分の考えに自信を持つこともできます。

「根拠」を持つクセをつくろう

 「何か質問しても、日本人はイエス、ノーばかりで根拠を言わない」とボヤく欧米人は少なくありません。でも、ビジネスシーンでは、皆さんも根拠を示すことの大事さを十分に理解していると思います。

 では、なぜ欧米人が「日本人は根拠を言わない」と言うのか。それは、根拠を口に出す頻度というか、根拠に対するそもそもの姿勢が欧米人と日本人とでは違うのだと思います。私の経験上、彼らはどんなことにも「根拠」を求めます。「夕飯に餃子を食べたい」と言ったときに、「なぜ餃子なのか」と理由を尋ねられたこともあったくらいです(食べたいものに理由も何もあるもんですかっ、とそのときは思いましたが)。でも、それが彼らにとっては当り前ですし、だからこそ、説得力が出てくるわけです。

 これはクセのようなものですから、少しトレーニングすればすぐできるようになります。まずは、自分がとろうとする行動について、「なぜ、自分はそうしようとするのか」「なぜ、自分はこれを選択するのか」と考えてみることから始めてみてください。グローバルで通用する「考え」を作る土台ができてくるはずです。

著者プロフィール:狩野みき

慶應義塾大学、聖心女子大学、ビジネス・ブレークスルー大学講師。グローバル水準の考える力・プレゼン力・作文力を指導するスクール、Wonderful Kids主宰。子どもの考える力教育推進委員会、代表。20年にわたって、大学等で「考える力」と英語を教える。慶應義塾大学法学部卒、慶應義塾大学大学院博士課程修了。著書に『知られざる英会話のスキル20』(共著、DHC)、『女性の英会話 完全自習ブック』(アルク)などがある。TEDxTokyo teachersにて英語でのTEDトーク“It's Thinking Time”を披露した。


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