5年後「必要な人材」でいられる自信はありますか?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2013年08月15日 08時00分 公開
[井上和幸,ITmedia]
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「出世競争」に必死に食らいつく

 「出世さえすれば、将来は安泰」

 そう考えて、社内評価を上げるために何らかの結果を出そうとしたり、社内で出世しそうな人を見極めて、自分を引っ張り上げてもらおうと努力している人。組織があるところにはこうした出世競争は必ずあり、多くの人がこれに進んで巻き込まれていきます。

 しかし出世競争を勝ち抜きたいという思いは、「会社は永遠に続く」という大前提があってこそ生まれるもの。この前提は、これからの時代では通用しません。ですから、出世競争に身を置くことは、不毛でしかないのです。

 現在、会社の平均寿命は10年程度になっていると言われています。このような現状で、1つの会社の出世競争に勝ち抜くことに、価値はあるのでしょうか?

 またこれからは、部署や社内・社外といった枠組みに頼らない「プロジェクトワーク型」の仕事が進みます。1つの事業に対して、その都度「使える人」を適材適所に配置する。そんな世の中で、1つの会社の1つの固定的なポジションにこだわることには、何の意味もなくなってきます。

 今後求められる人材になりたいのであれば、出世競争から一歩離れて、自分自身の能力や現在のレベル、また自分が本当にやりたいことは何かを、冷静に見つめることを優先すべきなのです。

 「今やっている仕事は、どれくらいの報酬に値するものなのか?」

 「今やっている仕事は、これから先も続けていきたいと思えるものなのか?」

 「今の自分は、他者から見てどんな価値があるのだろうか?」

 仕事の目的と、そのためになすべきことだけを見据えて行動することで、報酬も含めて結果は自然とついてきます。ムダな精神力を消耗して、結果的に居場所や目的を見失わないよう、意識的に出世競争からは距離を置きましょう。

 拙著「5年後も会社から求められる人、捨てられる人」では、このように現在のビジネスマンの間でありがちな「勘違い」を多数紹介していますが、こうした各論に共通しているのは、「目的を明確にし、そのためにやるべきことをやっているか」ということです。

 自分の行動を一つひとつ振り返ってみたときに、その仕事で自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、そこからズレた行動をしていないかどうか。漠然と「できるビジネスマンの間では、こういうのが流行っているから」という理由だけで動いていないか。

 今からそのズレを修正できれば、5年後にも「求められる人材」でい続けることができるでしょう。

著者プロフィール:井上 和幸(いのうえ かずゆき)

1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年、リクルートエグゼクティブエージェントに社名変更)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。2009年9月に同社を退任退職。2010年2月に株式会社経営者JPを設立(2010年4月創業)、代表取締役社長・CEOに就任。


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