「ここ一番」に強い人は「相手の脳ミソ」で考えているビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2013年10月31日 08時00分 公開
[伊庭正康,ITmedia]
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(1)負けず嫌い人(勝利志向)

 特徴は、せっかちで、白黒(勝ち負け)をはっきりさせたい人。勝利への執念が強い。ビジネスシーンでは目標達成への執念になる。対処のポイントは冗長的にならないこと。1つは「話す順序」に気を付けること。「まず結論から話し、その理由を語ってから、状況を説明する」のがお勧めです。2つ目は時間。「1分でも遅れてはダメ」ということ。このタイプは時間がルーズなことを嫌います。3つ目は、提案をするなら「選択肢を示す」ということ。彼らは決めつけられることを嫌います。

(2)目立ちたい人(注目志向)

 特徴は、目立ちたがりで、注目されたい人。ビジネスシーンでは評価や評判への執念が強くなる。対処のポイントはノリを大事にすること。1つは「大げさなくらいに共感する」こと。「さすがですね」「すごいですね」は常套句。2つ目は判断のポイントがユニークさにあること。提案をするなら「業界初」「誰もやっていない」などのコンセプトが大事。3つ目は、「振り回されない」ということ。彼らは意見がコロコロ変わります。早めに話を固めるようにしてください。

(3)やさしくありたい人(平和志向)

 特徴は、調和を大事にしたい人。ビジネスシーンでは「みんなの気持ちへの配慮」が強くなる。対処のポイントは一緒に考えること。彼らは決断が苦手です。1つ目は「相談にのる」こと。「一緒に決めていきましょうよ」は喜ばれる姿勢です。2つ目のポイントは「人に喜ばれる」提案であること。「○○さんも助かると思います」などのコンセプトが大事。3つ目は、「デッドラインを決める」ということ。このタイプは決断を先延ばしにする傾向があります。予定表を見ながら、一緒にデッドラインを決めましょう。

(4)納得したい人(論理思考)

 特徴は、納得感を大事にしたい人。ビジネスシーンでは「筋道」「確率」へのこだわりが強くなる。対処のポイントは「確からしさ」を示すこと。1つは「ノリですまそうとしない」こと。最も嫌われます。2つ目のポイントは「データや情報を示す」こと。自分で考えることで納得感を得たいと考えています。その材料となります。3つ目は、同じく「デッドラインを決める」ということ。このタイプは決断に時間を要します。デッドラインを決めておきましょう。

 このように、相手のルールが分かれば、無用のプレッシャーから解放されるだけでなく、ここ一番での「話の進め方」が見えてくるのです。ぜひ、日常のシーンでも意識してみてはいかがでしょうか。

最後に

 さて、今回、「ここ一番」に強い人は、ものごとを「相手の脳ミソ」で考えていると話しました。その理由を分かってもらえたでしょうか? 相手の思考で考えれば、対処の仮説を立てられるため、無用なプレッシャーはなくなります。今回は、「聴く」こと「相手のルールに合わせること」を抜粋して紹介しました。他にもさまざまなノウハウがあります。ご興味があれば、拙著「プレッシャーを味方にできる人50の方法」をご覧ください。皆さまの明日のビジネスの一助になれば幸いです。

著者プロフィール:伊庭正康

(株)らしさラボ 代表取締役 営業コンサルタント、ストレスコーピングコーチ

1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。一つひとつの行動をお客様の「期待に応える」のではなく、「期待を超える」ことにシフトするだけで、一気にリピート率が高まる法則を発見。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞する。その後、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

2011年リクルートを卒業し、(株)らしさラボを設立。「要望に応えず、願望に応えよ」「主語をWEに変えよ」「敢えて、ひと手間を加えよ」といった、誰もが出来る理論が評判を呼び、多くのリーディングカンパニーにおいて年間260回の研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。


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